カテゴリ:その他映画( 6 )

年に一度のカキコミ。2008年、飯香幻の映画ベストテン

さて。「飯香幻が2008年に劇場で見た映画」の総括といきますか。

第10位『ハッピーフライト』
第9位『モンゴル』
第8位『さらば仮面ライダー電王』
第7位『インビジブル・ターゲット』(男兒本色)
第6位『おくりびと』

こーやって列挙するとアジア圏の映画しか見てないような印象を受けるだろうか。実は『ナルニア国物語 カスピアン王子の角笛』も『インディージョーンズ・クリスタルスカルの王国』も見ている。ベスト10圏外なのだ。

■第5位『エグザイル・絆』(放・逐)監督:杜琪峰
友を撃つ激しい銃撃戦、そして一転、友を迎える集団調理と熱い飯!
登場するのは戦う四十代の悪ガキどもと、戦わせるクソ野郎・組織のボス。
由緒あるマカオの街。狭い部屋での銃撃戦が展開されたかと思うと、さびれた荒野をムダにダベりながら続くロードムービー展開へ。
御都合主義満載なくせに、説得力を持って迫る映像は、やはり名匠トー監督のなせる技です。

■第4位『クレイジー・ストーン』(瘋狂的石頭)監督:寧浩
大陸映画を見始めて二十余年。こんなに笑えた映画は初めてだった。(失笑・苦笑なら枚挙に暇がない)

内容は、再開発の工場跡から発見された翡翠をめぐる争奪戦、という実にシンプルなドタバタもといドカバキコメディー。

屋台のおもちゃかと見紛うよーな翡翠のくせして百万元のお宝。
守るは前立腺がおかしい小心者の警備員。狙うはマヌケなコソ泥トリオ。
そして香港からやってきた腕利きのトレジャーハンターが、スローモーションで颯爽とコートの裾をひるがえしながら登場する!(ここまでリスペクトされてんだよ?ジョン・ウー。だのに赤壁は…)

こんな純正バカ映画が公開されるなんて、大陸も捨てたもんじゃない。
寧浩監督の次回作『銀牌車手』が楽しみです。

■第3位『ラスト、コーション』(色・戒)監督:李安
某赤壁映画で、梁朝偉のベッドシーンをダメ認定してるそこのあなた!
それは、違う!是非本作を見るべし!

とはいえ、これは湯唯の湯唯による湯唯のための作品といっても過言ではない。刮目して見よ。ベッドシーンは主役二人の力関係や感情の変化が如実に見て取れる重要な位置にあるが、映画初主演の湯唯が堂々と演じきっている。そして戻れないところに来てしまった湯唯の耳に聞こえる街の人々の声。名作ですわ。

■第2位『ミラクル7號』(長江七號)監督:周星馳
前作が懐かしいネタの洪水だったのに、今回は現代中国そのもの。
若ぶらない周星馳。実際と同年代ぽい役柄がしっくりしてました。
使用済の七仔(ちゃっちゃい)と少年(役柄が、ね)の居る日常風景には、思わず涙しました。あんな超能力の場面の後だけに。

(ぼそ)中国の宇宙開発を皮肉った内容にするんじゃなかったっけ? ムリだろうけど、そーいうのも見たかったなあ…。

■第1位『文雀』 監督:杜琪峰
のっけから、繕いモノやってるサイモン・ヤムだぜ? 変だろ?
ゆる~いBGMにのっけて、颯爽とチャリンコ転がす任達華と仲間たち。
にこにこ上機嫌で一台に四人乗りしているヤツらは文雀(スリ)。
そしてヤツらの懐に飛び込んできた文雀(ブンチョウ)みたいな女。

だましだまされ連中の物語はすすむ。
スリたちの武器は一寸ほどのカミソリ。
しかしこれは衣服を切るもの。肌を傷つけるのは流儀に反すること。
だから、この映画は誰も死なない。トー作品なのに。
にもかかわらず、緊張感が随所で光る。ラストは暗闇の対決。

あと、背景にも着目してもらいたい。
90年代以降の建造物を注意深く排した、選び抜かれた風景。
すでに職人技という言葉すら陳腐だ。

映画祭上映だけで終わらせるのは勿体ない。是非、劇場公開してほしい。

…とまあ、私的ベストテン並べてみました。
この他、ドキュメンタリーなんかも見てます。『靖国』『未来を写した子供たち』など。
これらも秀作でした。

では、2009年にまたお会いしましょう!
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by meshikagen | 2008-12-28 00:46 | その他映画

映画オールタイムベストテン!!

なんだか面白そうなのでこんな企画に乗っちゃいました。

1. 『青い凧』(藍風筝) 1993中国 田壮壮監督 呂麗萍、易天、張文瑶、陳小満主演

政治がタチ悪いのは、誰かさんの「晩年の誤り」なんかに帰するモノなんかじゃない。
誰がわるいわけではないのに、誰もがお互いに首を絞めあう。
明確な教条と見えないルールとがお互いをがんじがらめにする。
そんな仕組みそのものを作り上げること。
少年は大切なひとを次々失いながら、しかし心に何かを溜めていく。
眼に映るのはもはや舞い上がることも手元に置かれることもない、破れた凧。
ストーリーを語るのではなく、映像を重ねることで、少年の見た世界を懸命に伝えようとした監督は、その後十年の沈黙を余儀なくされた。

2. 『おもちゃ』(小玩意) 1933中国 孫瑜監督 阮玲玉主演
この作品の名シーンは3つ。
1)泣きじゃくる子供の涙を母親が指で弾く。うん、ほほえましい。
2)母の涙を瀕死の娘が微笑んで指で弾き、事切れる。
文章で書くとなんだかあっさりだが、阮玲玉(母親)と李莉莉(娘)の演ずるこれは、おいらの中では屈指の名シーン。
3)運命に翻弄されて気がふれた老女阮玲玉が、爆竹と空襲を聞き間違え、あわてふためいて周囲の人々に避難と抵抗を呼びかけまわるラスト。彼女の焦燥は怒りへと変わり、いつしか人々も巻き込まれていく。おそらくは観衆すら巻き込んでいったんじゃないかと思うほどの迫力だ。

3. 『ドラゴンへの道』(猛龍過江)1972香港、李小龍監督・主演
異郷で同胞のために身体を張るお兄さんというパターンは、『唐山大兄』と同じだし、構図的には『精武門』も似たようなものだが、やはりこれはボディー・ランゲージが印象に残る。
余談。旅行中、コロセウムで猫を見かけた際に思わず写真撮っちゃったのは、なんだか心の隅にこの映画が残ってたせいですね。
   
4. 『少林三十六房』 1977香港 劉家良監督 劉家輝主演
とにかく修行時代が楽しい。
そして後半、三徳和尚の呼びかけに応じ、南少林伝説を彩るメンバーが一人また一人と結集していくのが楽しい。だからあの日本語字幕、さっさと何とかしてほしい(まだ言ってる)。
 
5. 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ天地大乱』(黄飛鴻之男兒當自強)
1992香港 徐克監督 李連杰主演
李連杰が舞う!・・・え?ドニーも主演だろって?  

6. 『片腕カンフー対空とぶギロチン』(獨臂拳王大戦血滴子)1975台湾、王羽監督・主演
『片腕ドラゴン』と比べてもこっちに軍配があがります。
どーみてもそー見えないインド人も、唾ぺっぺのムエタイボクサーも、「参考にされる」無刀流のサムライも、愛すべきヤラレ役です。
ギロチン爺も素敵な敵役です。
でも一番のワルは壁をすたすた歩く重力無視の片腕センセイだということは衆目一致だよね、ね?

7. 『英雄十三傑』(十三太保)(1978香港 張徹監督、狄龍・姜大衛主演)
『新獨臂刀』とどっちをランクインさせるか、迷った挙句、こっち!!
颯爽と登場する若武者姜大衛が、張徹監督の過酷な美学に翻弄され、兄弟愛と裏切りの狭間で血みどろになって砕け散る!
んー。それ言っちゃうと、『刺馬』もそーなんだけど。

8. 『グリーンデスティニー』(臥虎蔵龍)2000中国・アメリカ 李安監督 周潤發・楊紫瓊主演
ワイヤーって凄い!とゆーのを素直な気持ちで鑑賞できた作品。
楊紫瓊vs章子怡のシーンだけでも御飯三杯いけちゃいます。
鄭佩佩については『大酔侠』もあわせて見たい。

9. 『カンフーハッスル』(功夫)2004香港 周星馳監督、主演
香港に文化が無いなんて、誰が言った??
重層的にぎっしり積み込まれた武侠ネタや古の映画ネタの数々が強烈なスパイスとなって我々に楽しく襲いかかる!残念だが異文化に育ったおいらは、まだまだその半分も味わえていないかもしれない。
でも、そんなの関係ねーっちゃねーんです。
頭を空っぽにしても、予備知識無くっても、喜怒哀楽ぜんぶ感じるから名画なんだ!

10. 『酔拳』1978香港 袁和平監督、成龍主演
八仙だし、黄飛鴻だし、なんといっても赤鼻袁小田はぼくらの心の師匠です。

あー。番外編に入れたいお気に入りがまだまだあって困る~。
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by meshikagen | 2007-12-14 02:29 | その他映画

『ホテル・ルワンダ』(2004年 南アフリカ・イギリス・イタリア合作)

為政者の都合がいいように、差異を利用して住民を上下に分けてしまう。憎しみが生まれる。為政者は去り、憎しみは残る。普通に暮らしていた人の間に憎しみが広がる。ナタで殺しあう。でも家族や隣人だぜ?本当に憎いのか?殺したいのか?殺させたいのか?

100日に100万人が死ぬ虐殺事件が起こってしまったルワンダ。フツ族とツチ族の抗争、そして多数派フツ族による少数派ツチ族に対するジェノサイドとツチ族の反抗のさなか、武器(不満分子の間で周到に用意されていた!)を手に取った人々が互いに刃を向け合った。

四ツ星クラスのホテル支配人ポール。彼はフツ族だが妻の一族はツチ族。彼はただ、家族と仕事と隣人を守りたかった。矜持と良心が自分の職場に駆け込んできた1000人以上の人間を守りきった。『ホテル・ルワンダ』はそういう物語だ。

支配人ポールは頭脳で戦う。手段はぜんぜんキレイじゃない。ためらうことなく強い者に札束をふりかざし、家族の財産をも差し出す。食料調達のためには普段取引のある業者(これが先頭に立って虐殺を行う民兵組織のボスだったりする!)の元にも向かう。フツ族政府軍将軍にはワイロ攻勢をかけ、ハッタリをかます。結局のところ彼らを見捨てた「国際社会」の元に居る、白人の経営者に電話で懇願してフランス当局を動かすことまでやってのける。

限界はあったが仲間もいた。フツ族ツチ族を問わないホテルスタッフ達(トンデモナイのも混じっていたけど)。「何もできない」が、身体を張って本気でホテルを守り続けた国連平和維持軍の老大佐。ジャーナリスト、赤十字ボランティア、等々。なにより「お客様」全員が精神を保っていた。そしてすべてが動き出した。

「感動」については敢えて書かない。ただ、作品としてすさまじくよくできている。非常時にあってネクタイとスーツを欠かさなかった支配人が事件を通してどうなったか。象徴的な場面の描写には眼を見張る。

最後に。この映画は国内で当初配給会社の買い手がつかなかったこと。見たい人たち5000人の意思表示と、心ある配給会社の決断が公開に繋がったこと。そして現在でも全国で限られた劇場でしか上映される予定がないこと。都内ではたった一箇所のミニシアターでしか見られないという状況にあることを、記しておきましょう。
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by meshikagen | 2006-01-15 13:07 | その他映画

『ホテル・ルワンダ』上映希望!!!

えと。関東幇会吉梨幇主のひそみにならい、なおかつ自分も非常に見たくてたまらない映画でもあるということで、『ホテル・ルワンダ』の日本での上映を求める署名運動サイトにリンクを貼ってしまうコトにしました。

http://rwanda.hp.infoseek.co.jp/

今から10年前、ルワンダでフツ族とツチ族の凄惨な民族闘争が発生したのは国内でもニュースになった。憶えておられる人も少なくないのではないかと思う。

平和維持軍すら見捨て去った国で、少数派ツチ族・多数派フツ族の双方のお客様を守りきったホテル支配人の物語。これが映画化された。だが、日本では上映される見込みが無いという。
そこで有志が署名運動に立ち上がった。

紛争のウラの事情は知らない。けれど大量虐殺があったのも事実だ。なによりこの支配人の漢ぶりをスクリーンで見たい。物語として虚実入り混じっている形にせよ、だ。

だからウチのブログでもリンクを貼る事にした。微力ながらお手伝いできれば、と思って。
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by meshikagen | 2005-07-27 13:08 | その他映画

『マルチュク青春通り』

2004年韓国作品 監督:ユ・ハ 主演:クォン・サンウ

韓流の影響で整理券配布の噂だのなんだので、初日に見れるかどうかかなりヤキモキさせられましたが、ちゃんと見れました。おいら位の中年女殺到かと思っていたら、若いファン多かったですね。

『精武門』に始まり『酔拳』に終わる、朴正熙政権下のハイスクール・グラフティ。1978年が時代設定。あんな乱闘や決闘は抜きにして、まあ自分らの高校時代の男子生徒の有様をみるような感じでしたね。
そりゃ軍人さんが校内で闊歩するのもなしだけど。

マジメな転校生だけどイマイチ自己の確立していない主人公ヒョンス、熱い漢なんだけど結構演出に巧みな番長ウシク、清純な外見なんだけど意外としたたかな先輩女子・ウンジュ。ラジオ深夜番組やら、押し花つきのリクエスト葉書(うわあホントにやってるよ)やら、ギターやらといった懐かしアイテムに彩られた、本人達は真剣な(だけど、なにやってんだ的な)ウブな恋模様展開。だって「この世の終わり」だしねえ。

でもって最重要アイテムがヌンチャク。

なんだかんだあって自己をヌンチャクで確立しようと試みたヒョンス。截拳道教本による自己トレーニングで、ここまで鍛えたか。少年雑誌の裏表紙に広告の出ていた「キミも強くなれる!」系の通信教育トレーニングテキスト本は何を隠そう自分もホントは欲しかったんだが、それを具現化してくれちゃったクォン・サンウの肉体美。

でもさあ決闘の場に着く前に後ろからガツンはないと思うな。しかも親御さんの土下座に終わるしかない結末。いや、所詮校内暴力だし。
退学処分になるのが見えていて、申し訳ない思いに駆られる息子にかける、オヤジの言葉「ブルースリーは大学行ったか?」はしみじみ名台詞ですね。もちろん実際は李小龍がワシントン州立大学哲学科に行ってたことなど、監督は百も承知でしょう。


そして時代はブルースからジャッキーへ。『酔拳』へのオマージュ、黄飛鴻のテーマがBGMに流れる中、ストップモーションですっぱり終わる結末は拍手モノ。だからそこで「劇終」の文字をバーンと入れて欲しかったよ。

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議論の余地:
その1:トッポッギ屋のおばはんにヒョンスは「奪われた」か否か。
     ・・・いや、逃げてきたならそれなりの描写とかあると思う。

その2:甘味屋でヒョンスがフォークにアンパンを突き刺して食ってたのは、ネタか否か。
     ・・・ウンジュの側にもフォークがあったし、他にフォークを使うようなモノも置かれていなかったので、ひょっとしたら韓国ではマジでそんなパンの食い方するのだろうかと気になった。いや、劇場内では笑いを取ってたけどね。
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by meshikagen | 2005-07-17 10:47 | その他映画

(ネタバレまくり)『スターウォーズ』エピソード3

常駐先が休日なので自分も休日。んで、『エピソード3』見に行っちゃいました。

以下ネタバレ気味に。

前回のサプライズな登場に気を良くしたか、ヨーダ飛びまくり斬りまくり。でもいいっす。振り向きざまにクローンぶった斬るのは格好よすぎっす。

振り向きざま、といえばやはり冒頭のオビワン&アナキンの議長救出バトルもよかったっすね。着艦後、スターファイターから降りたと同時にジャンプして敵数体をいきなり倒すオビワン。いっちばん痺れたシーンだよ今回。辺境のシーン、グリーバスのナタ太子状態もグー。咳なんかしちゃってて実は強いって「パターン」だけどねえ。

まー。ドラマには最初から期待してないから。うん。
「ダースベイダー、なんであーなっちゃったの?」を語りきってしまおうとして、てきぱきススんじゃった感が強い。つかアナキン、霊感商法に弱すぎ。ダースベイダーへの見方が一気に変わりましたよ(泣)。結局、単にハメられただけじゃん。火山星での決闘は、ヘルメット取った姿とのツジツマあわせであーなったんだろうけど、あれじゃオビワンもヒドすぎ。

これも後半三部作とのツジツマあわせだろうけど、皇帝の電撃(みたいなアレ)が、どーしても強力なフォースには見えないんだよなあ。うーん。メイス・ウィンドウはじめジェダイのみなさんがどーしてアレに弱いのか。・・・

とはいえ、このシリーズだけは全部劇場で見ています。30年近く、楽しませてくれてありがとう!
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by meshikagen | 2005-07-15 19:53 | その他映画