2008年 12月 28日 ( 1 )

年に一度のカキコミ。2008年、飯香幻の映画ベストテン

さて。「飯香幻が2008年に劇場で見た映画」の総括といきますか。

第10位『ハッピーフライト』
第9位『モンゴル』
第8位『さらば仮面ライダー電王』
第7位『インビジブル・ターゲット』(男兒本色)
第6位『おくりびと』

こーやって列挙するとアジア圏の映画しか見てないような印象を受けるだろうか。実は『ナルニア国物語 カスピアン王子の角笛』も『インディージョーンズ・クリスタルスカルの王国』も見ている。ベスト10圏外なのだ。

■第5位『エグザイル・絆』(放・逐)監督:杜琪峰
友を撃つ激しい銃撃戦、そして一転、友を迎える集団調理と熱い飯!
登場するのは戦う四十代の悪ガキどもと、戦わせるクソ野郎・組織のボス。
由緒あるマカオの街。狭い部屋での銃撃戦が展開されたかと思うと、さびれた荒野をムダにダベりながら続くロードムービー展開へ。
御都合主義満載なくせに、説得力を持って迫る映像は、やはり名匠トー監督のなせる技です。

■第4位『クレイジー・ストーン』(瘋狂的石頭)監督:寧浩
大陸映画を見始めて二十余年。こんなに笑えた映画は初めてだった。(失笑・苦笑なら枚挙に暇がない)

内容は、再開発の工場跡から発見された翡翠をめぐる争奪戦、という実にシンプルなドタバタもといドカバキコメディー。

屋台のおもちゃかと見紛うよーな翡翠のくせして百万元のお宝。
守るは前立腺がおかしい小心者の警備員。狙うはマヌケなコソ泥トリオ。
そして香港からやってきた腕利きのトレジャーハンターが、スローモーションで颯爽とコートの裾をひるがえしながら登場する!(ここまでリスペクトされてんだよ?ジョン・ウー。だのに赤壁は…)

こんな純正バカ映画が公開されるなんて、大陸も捨てたもんじゃない。
寧浩監督の次回作『銀牌車手』が楽しみです。

■第3位『ラスト、コーション』(色・戒)監督:李安
某赤壁映画で、梁朝偉のベッドシーンをダメ認定してるそこのあなた!
それは、違う!是非本作を見るべし!

とはいえ、これは湯唯の湯唯による湯唯のための作品といっても過言ではない。刮目して見よ。ベッドシーンは主役二人の力関係や感情の変化が如実に見て取れる重要な位置にあるが、映画初主演の湯唯が堂々と演じきっている。そして戻れないところに来てしまった湯唯の耳に聞こえる街の人々の声。名作ですわ。

■第2位『ミラクル7號』(長江七號)監督:周星馳
前作が懐かしいネタの洪水だったのに、今回は現代中国そのもの。
若ぶらない周星馳。実際と同年代ぽい役柄がしっくりしてました。
使用済の七仔(ちゃっちゃい)と少年(役柄が、ね)の居る日常風景には、思わず涙しました。あんな超能力の場面の後だけに。

(ぼそ)中国の宇宙開発を皮肉った内容にするんじゃなかったっけ? ムリだろうけど、そーいうのも見たかったなあ…。

■第1位『文雀』 監督:杜琪峰
のっけから、繕いモノやってるサイモン・ヤムだぜ? 変だろ?
ゆる~いBGMにのっけて、颯爽とチャリンコ転がす任達華と仲間たち。
にこにこ上機嫌で一台に四人乗りしているヤツらは文雀(スリ)。
そしてヤツらの懐に飛び込んできた文雀(ブンチョウ)みたいな女。

だましだまされ連中の物語はすすむ。
スリたちの武器は一寸ほどのカミソリ。
しかしこれは衣服を切るもの。肌を傷つけるのは流儀に反すること。
だから、この映画は誰も死なない。トー作品なのに。
にもかかわらず、緊張感が随所で光る。ラストは暗闇の対決。

あと、背景にも着目してもらいたい。
90年代以降の建造物を注意深く排した、選び抜かれた風景。
すでに職人技という言葉すら陳腐だ。

映画祭上映だけで終わらせるのは勿体ない。是非、劇場公開してほしい。

…とまあ、私的ベストテン並べてみました。
この他、ドキュメンタリーなんかも見てます。『靖国』『未来を写した子供たち』など。
これらも秀作でした。

では、2009年にまたお会いしましょう!
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by meshikagen | 2008-12-28 00:46 | その他映画