2005年 06月 27日 ( 2 )

『旺角黒夜』

25日にキネカ大森で見てきました。傑作です。

ちょうど、『PTU』と好対照な映画でしたね。
どちらもダレてナレアイな警察と、持ちつ持たれつなヤクザどもの話。どちらも繁華街で起きた一夜の出来事。

しかしながら、『PTU』は尖沙[口且]、『旺角黒夜』は文字通り旺角が舞台。そして『PTU』がバナナネタだったり背中にナイフつきたてたまま逃走して車運転したりするマンガチック展開なのに比して、『旺角黒夜』は徹頭徹尾シリアス。

まして主人公、悲しすぎます。

親戚の手配で、大陸から出てきた来福(主人公)。ウデは確かな殺し屋なんだけど、純朴そのもの。仕事そっちのけで、ふと乱暴者から助けてやった大陸出身の娼婦といっしょに、香港に来ているはずの恋人を追うのだが・・・・。

登場人物でマトモなのは実はこの青年と娼婦だけなんですね。あとはもう、情けないというか。対立する組長を始末するのに斡旋業者に人材を委託する組長。ゼニ儲けのためなら雇った刺客さえ警察に売りかねない斡旋業者。やるきゼロな上に事件の偽装工作までやるベテラン刑事ども。

そしてクリスマスの夜、惨劇が起こる。

張り巡らされた伏線を鮮やかに収斂させ、笑いで締めくくった『PTU』とは対照的に、ひたすら苦く、香港の正体を暴き出すような結末。最後、おいらは泣きました。

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2005年06月28日00:37 KDKさん:

かなり興味をそそられる内容ですね、機会があれば見に行きたいです。

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2005年06月28日00:48 飯香幻

とりあえず、血まみれ注意報。まあ幇会メンバーなら心配無用でしょう。上映している映画館が少ないのがネックですね。
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by meshikagen | 2005-06-27 23:47 | 香港映画

『1945年のクリスマス』

日本国憲法制定に関わった、当時22歳のGHQ民生部職員、ベアテ・シロタ・ゴードンさんの自伝です。憲法に男女平等の文言を入れたヒトですね。映画『ベアテの贈り物』が岩波ホールで公開中です。

でも当時はアメリカの憲法にすらこんな文言はなく、参考にしたのがソ連の憲法の条文だったあたりが意外。そもそも日本国憲法自体、ソ連とワイマール憲法他、各国の憲法が母体だった訳ですが。

ベアテさん自身も日本で10年以上生活したアメリカ国籍のロシア系ユダヤ人。日本女性の立場を知っていて、なおかつ自分も渡米後職場で差別に腹を立てていた。それで女性や児童の権利を盛り込むことに熱心だったらしいのですが、制定委員会の見解で彼女の案はかなり削除されたようです。

その中には、「嫡出子と非嫡出子の差別撤廃」「女性の雇用機会均等と男女同一賃金」「妊娠中の女性に対する国家の保護」なども含まれていたのですね。削除された理由が「民法で制定すべきコトだから」だったらしいのですが、その後何十年も解決しなかったコトを思うとねえ。

まあ憲法制定も占領政策の一環といえばそうだし、つい今の米軍のイラク駐留と重ねて見てしまうんで心境はフクザツです。そもそも女性参政権だって日本人にわかりやすい占領政策の目玉として設定されたそうですし。

とはいえ、彼女が国民の平等を保証した条文に「性別」の一語を盛り込み、「両性の合意に基づく婚姻」のみを認める条文を起草してくれたコトは、何ら今のおいらたちに不都合をもたらしていませんね。

それどころか、まあ戦争を体験していない世代の人間が簡単にこういってしまえるコトではないけど・・・・

もし、日本がこれほどの犠牲を払った敗戦という事態を迎えていなかったならば、国民の半数が選挙権も財産権も持たない時代が、果たしてあと何十年続いていたことかと正直思わざるを得ないんですよね。家庭のサイフは握っていたけど法的には財産権が無かったのよね。

相当に心境は複雑だけれども、22歳の聡明な女性がもたらした贈り物を、今度は自分たちで憲法を改正なり再制定する際に、しかと受け止めた形にしなきゃだめだろ、と思うんですよね。

んあ、ぜんぜん中華な話題で始められなかったなあ。ブログ。
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by meshikagen | 2005-06-27 01:12 | 読書雑記